個人再生に強い弁護士を選ぶ方法と3つの注意点
個人再生の手続きは、専門家に依頼せずに自分で行う事も出来ます。
ただ、必要書類の収集や債務者とのやりとりなど法律の知識が必要になるので、ほとんどの人は弁護士や司法書士に依頼します。
依頼するという事はそれなりの費用がかかりますが、手続きに失敗して打ち切りになるリスクを考えると、初めから依頼するのがベストな選択です。
今回の記事では、個人再生をする場合の弁護士選びに失敗しない為のポイントを詳しく解説していきます。
弁護士と司法書士どちらを選ぶべきか?
解決に必要な費用総額で判断する
個人再生の手続きは、弁護士だけでなく司法書士にも依頼出来ます。
どちらも国家資格を必要とする法律のプロなので、基本的にどちらに依頼しても問題はないですが、弁護士と司法書士とでは業務範囲が違うので、当然費用も変わってきます。
費用の比較
- 弁護士に依頼…40~60万円程度
- 司法書士に依頼…30~40万円程度
一見すると弁護士よりも司法書士の方が費用が安くメリットが大きいのでは?と思ってしまいますが、この費用の差には理由があります。
弁護士と司法書士の大きな違いは、本人に代わって裁判所と直接やりとりできるかどうかです。
司法書士の場合、書類の作成はしてくれますが代理交渉が出来ないので、本人に代わって裁判所に出向いたり、裁判所と直接やりとり出来ません。
項目 | 弁護士 | 司法書士 |
法律相談 | ○ | ○ |
書類作成 | ○ | ○ |
裁判所への同行 | ○ | × |
再生計画案の作成 | ○ | ○ |
一方、弁護士の場合は書類作成はもちろん、裁判所に出向いて直接やりとりをしてくれるので、申し立てから裁判のやり取りまでフルサポートしてもらえます。
司法書士は、裁判所への同行が出来ない分、弁護士より費用が安く設定されていることがほとんどです。
費用だけを比較すると司法書士の方がお得ですが、トータル的な費用や手間を考えると司法書士よりも弁護士を選ぶメリットの方が大きいです。
弁護士を選ぶメリット
弁護士を選ぶメリットは、裁判所への同行や本人に代わって裁判所に出向いてくれるなど「司法書士ではこなせない業務」を担ってくれる点です。
弁護士を選ぶメリット
- 取り立てがすぐに止まる
- 申し立てから裁判のやり取りまでフルサポート
- 代理交渉をしてくれる
- 個人再生に成功する可能性が高い
- 限度額に制限がない
個人再生の手続きを弁護士に依頼した時点で貸金業者からの取り立てはすぐに止まるので、精神的な負担が少なくなり安心して生活を送れます。
値段的なデメリットよりも、複雑な手続きを任せられるメリットの方が大きいので、弁護士を選ぶ人が多いのも納得です。
司法書士は申請書類作成がメインのため、貸金業者とのトラブルや借金にまつわる対人トラブルの直接的な対応出来ません。
弁護士は多種多様なトラブルを解決してきた経験があるので、依頼者の立場で適切なアドバイスがもらえます。
司法書士を選ぶメリット
個人再生を司法書士に依頼するメリットは、それほど多くはありません。
ただ、普段の生活に時間の余裕があって裁判所に自由に出廷出来たり、できるだけ費用をおさえたい人は、司法書士に相談するのもアリです。
司法書士が向いてる人
- 出来るだけ費用を抑えたい
- 書類の作成だけを頼みたい
- 裁判所に自由に出廷できる
司法書士は基本的に書類作成がメインですが、「書類を作成して終わり」というわけではなく、再生手続きが完了するまで親身になってサポートをしてくれます。
個人再生に強い弁護士を選ぶポイント
債務整理の実績があるか
弁護士と一言でいっても、刑事トラブルが得意な弁護士もいれば債務整理などの民事トラブルが得意な弁護士もいます。
個人再生をする場合は、依頼する弁護士が債務整理を得意分野としているかどうかも重要な見極めポイントです。
見極める方法
- ホームページで過去の実績をチェックする
- 相談時に取扱件数を聞いてみる
弁護士事務所によっては、過去の実績をホームページに掲載しているところもあります。
弁護士選びに失敗しない為にも、依頼する前には必ず弁護士事務所のホームページから専門分野を確認しましょう。
専門外の弁護士に依頼するとどうなる?
- 余計な費用がかる
- 申請者に不利な再生結果になる事もある
まれに債務整理の経験が少ない弁護士に依頼すると、余計な費用がかかったり申請者に不利な再生結果になる可能性も出てくるので、債務整理の経験が豊富な法律事務所を選びましょう。
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債務者に寄り添った対応をしてくれるか?
数ある弁護士の中から最適な弁護士を探すには、実績だけでなく親身に相談に乗ってくれるかも大切なポイントです。
申請する側としては、疑問や不安に感じる事などを相談した時に、丁寧に対応して貰えると頼もしく感じ「この弁護士なら任せても大丈夫」と安心出来ます。
よくある相談内容
- 職場や家族にバレずに再生手続きをしたい
- 再生手続きにどれくらい費用がかかるのか?
- 個人再生の申請が認められなかったら場合の対処法
弁護士事務所によっては依頼者の悩みに寄り添わず、淡々と事務手続きを進める所もあります。
初回相談時の対応でおおよその判断がつくので、自分に合わないな、と思ったら思い切って弁護士事務所を変更しましょう。
分割払いに対応しているか
個人再生を弁護士に依頼した場合は、40万円~60万円の費用がかかります。
この費用の支払い方法は一括請求と分割払いの2パターンがあり、弁護士事務所によって様々です。
支払い方法のパターン
- 初めに着手金を請求され、残額は個人再生の手続き終了後に一括請求
- 着手金を支払い後、残額は手続き開始後の分割支払いで対応
個人再生を申請する場合、手元に資産がなく返済できないケースがほとんどだと思いますが、そのようなお金がない人に一括請求しか対応していない弁護士事務所は止めておきましょう。
信頼出来る弁護士を選ぶ為にも、初めに費用の事を分かる範囲で丁寧に説明してくれるかも大切です。
弁護士選びに迷った時の対処法
法テラスに相談する
国が創設した法的トラブル解決のための総合案内所「法テラス」に相談するのも1つの方法です。
法テラスでは、刑事民事を問わず相談できる窓口が用意されていて、個人再生についての相談や相談内容に応じた弁護士の紹介をしてもらえます。
例えば「個人再生の為に弁護士を付けたいけど、どの弁護士事務所に相談すればいいのかわからない」といった相談をすると、個人再生に強い弁護士を紹介してくれます。
注意点
- 法テラスと提携している弁護士のみ紹介される
法テラスで紹介してくれる弁護士は、あくまで法テラスと提携している弁護士だけなので、いくら信頼出来る弁護士事務所であっても、提携していない場合は除外されてしまいます。
弁護士選びの選択肢が、かえって狭まってしまう可能性もあるので注意しましょう。
参考URL:法テラス
市役所などの公的相談コーナーから紹介してもらう
どの弁護士に依頼すればいいのか分からない場合、住んでいる地域の市役所や区役所で開催されている「無料法律相談」を利用するのもオススメです。
地域の公的機関では借金や相続、民事トラブルなど、法律の専門家が悩みの種類別に相談機会を設けてくれています。
相談時間は30分程度と短いのでじっくり話は出来ないですが、無料で相談に応じてくれるため、金銭的負担が無いのがメリットです。
弁護士会の運営組織に相談する
公的機関での相談は一般的な相談にとどまるため、個人再生のような内容が複雑な法律相談は、弁護士会に直接相談する方がいいかもしれません。
弁護士会では、登録している弁護士が当番制で無料相談を行っていて、以下のような相談を受け付けています。
相談内容
- 法律一般相談
- 交通事故
- クレジット、サラ金問題などの借金相談
- 離婚、労働事件、消費者相談
- 知的財産、医療、建築にかかわる問題、外国人からの相談
大阪弁護士会には、大阪で活動している4400名以上の弁護士のうち、2,700名以上が登録しています。
1定以上の収入がある人は初回相談でも有料になる可能性もありますが、原則無料で相談に応じてくれるので、個人再生の解決に向けてなんらかの糸口は見い出せるかもしれません。
参考URL:大阪弁護士会
信頼できる弁護士かどうかを判断する方法
弁護士によっては、相談者の弱みにつけこんで法外な費用を取りながら解決すら出来ない悪徳弁護士もいます。
ひどい場合は、弁護士資格を持っていないのにも関わらず弁護士を名乗っている場合もあるので、弁護士選びは慎重に行わないといけません。
日本弁護士連合会の公式サイトでは、登録している弁護士検索が出来るので、相談前に一度確認しておく事をオススメします。
参考URL:日本弁護士連合会/弁護士情報・法人情報検索
以上、個人再生に強い弁護士を選ぶ方法と3つの注意点でした。
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